ハリス島観光 ― UKにある昭和

Photo ハリス島の景色。

「アウター・ヘブリディーズの昭和」の異名を取るハリス島(出典:わし)。

アウター・ヘブリディーズの羊毛だけを昔ながらの織り方で織った「ハリス・ツィード(Harris Tweed)」でその名を世界に轟かせている。地続きのハリス島と比べてもさらにド田舎で,その素朴な風情のためこっちのほうが趣があると言われることもあリます。が,それは「良く言えば」という話で,個人的にはどう見てもルイス島が魅力的。

人口は,中心街ターバート(Tarbert)を中心に2200人ちょっと。

ちぐはぐな開発

Photo なんとなくパッとしないハリス島の風景。

ルイス島は開発に方向性が感じられました。あぁここを村にしたんだな,とか,この風景を味わうためにこういうふうに家が立ち並んでるんだな,とか。一方,ハリス島は,なんでこんなところに採石場?とか,なんでこんなところにバスの車庫?とか,山肌に突然コンクリートの小屋があったり,ガードレールやケーブル類が無造作に作られてたり,なんとなくチグハグというか,「まぁこんなもんでいいや」的な感じが否めません。よく言えば見るからにおおらかです。


Photo きれいな浜も,ゴルフ場と牧場に阻まれ,あまり堪能できません。

景色も,大西洋岸を除くと,どこか陰鬱です。

島一番の街は,フェリーターミナルのあるTarbertですが,ここもホコリっぽい香りただよう昔ながらのおみやげ屋産が崖沿いの通りに軒を連ねるばかりです。まさにこんな感じ(undiscoveredscotland.co.uk)です。

食事はどこで?

そのTarbart,食事をする所が,Hotel Hebridesのレストラン(The Pierhouse Restaurant:水準のものがちゃんと出てきます)と,Fish & Chips屋と,評判の良い喫茶店(Firstfruits Tearoom)としか見当たりません。B & Bとかに連泊したらどうしたらいいんでしょうか。きっと気の良い宿主がどうにかしてくれるんでしょうけど。人の優しさが頼りです。そしてその頼りを裏切られることはないでしょう。それがハリス島。

ハリスツイードはスバラシイ

Photo ハリス・ツィード屋(Harris Tweed and Knitwear)の猫。さすが羊のような毛並み。ずっと代々ここにいるの?と彼猫に聞いたら「そうだ」とのこと。

おみやげ屋街の対岸にあるハリスツィード専門店(Harris tweed isle of Harris)は,さすがにその品揃えは充実していて,ツィード製品を買うならここで買っちゃえば良いでしょう。ルイス島にも,郊外のRarebirdや,市内にある乙女の憧れHarris Tweed Hebridge,同じく紳士の嗜みCeltic Clothing Outfitterなどの,おしゃれなデザインのツイード製品屋もありますが,いかにも純正っぽいオーソドックスなものは,ここが世界一安くていろいろなものがあると思います。

また,島内各所の小さなツイード製品屋さんも,それぞれいくつかのオリジナル商品を置いていることがあります。Harris Tweed and Knitwear(この店は実演というか,店内で織っている)とか,The Harris tweed knitwear Company(ここはちょっと高級な感じの品揃え)とか,Hillcraft of Harris(小物屋さん)とかみたく。

品質管理は法で定められていて,島の認定された家で織ったものだけがハリスツイードを名乗れます。最近では,より手作り感が求められているらしく,重く織るのが流行っているとのこと。

人もスバラシイ

日本の田舎だと,客として行くとあまりの接客レベルの低さにイラっとすること多々ありがちですが,さすがは世界のイギリス,どんな小さなお店でも,一見の観光客相手に,別け隔てなく高質のサービスを提供していて,感嘆しちゃいます。アメリカの過剰接客でも,日本の慇懃接客でも,イギリス本土の適当バイト接客でもなく,超普通の接客で落ち着きます。

景色は微妙

Photo わざわざ道に出てきて「めぇ~!めぇ~!」

ルイス島に比べると若干岩がちで,荒涼とした感じがあります。緑の多いところは一見綺麗なのですが,ちょっと羊口密度が高いようで,たいてい羊のウンチまみれです。しかもここの羊は,やたらとめーめーと威嚇してきます。美しそうな小川も,羊の糞尿まみれのような気がして来ます。


Photo 古式ゆかしい教会跡(St. Clement's Church:16c)。だけどやっぱりうんちがいっぱい。

よって,なだらかな山が多いので,1日かけて山登りをするのがお勧めです。さすがに上には羊がいませんので。


Photo 中は地味ながらキレイでした。 Photo どうしてこのお墓にだけ中途半端なコンクリートの囲いが?ハリス島らしさ。

大西洋岸は綺麗ですが,砂浜を一歩出ると羊のうんち地獄だし,一番綺麗なスポットはたいてい人の土地だし,浜から見る山側の景色もなんだかチグハグだし,やっぱりハリスは山登りとツイード購入のための島だと思います。

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